下記は京産大アスレチックの記事です。
11月3~5日に埼玉県長瀞射撃場で全日本学生ライフル選手権大会の団体ARS60が行われた。昨年の成績は23位と振るわなかったが、今年は8位と創部以来初の素晴らしい結果であった。
未経験から
全日本学生ライフル射撃選手権大会8位と聞いて、たいしたことはないと思う人もいるだろう。しかし、わが京産大射撃部には経験者が全くおらず、他大学と比べると不利である。その経験者の実力を上回り上位に躍り出るのは並大抵の努力では難しい。
今年に入り更に力をつけてきた3選手。山本(営2)、中尾(外3)、道内(済3)が団体ARS60のメンバーとして出場した。団体ARS60とは、S(シリーズ)1~S6までありS1ごとに10発ずつの弾を撃つ。1シリーズを100点満点で計算しその3人の合計点で競う。
「試合になるとすごく緊張するが一番初めだとまだ緊張しない」と語る山本が先陣を切り、自分のペースで黙々と撃っていく。滑り出しは良かったが最後のS6は疲れからか90点と、満足のいかない点数に山本は「こけたな」と最終成績に響くことを心配した。
次は山本が信頼を置いている中尾である。中尾は試合になると「試射(本番前の練習)」の時に外しておけば本番の時には外さない」という理由でわざと外している。いざ本番になると、点数は安定している中尾だが「どれか1つだけでも飛び抜けた点数が欲しい」と語る。今回も飛びぬけた点数はないものの560点以上出せたので満足していた。
最後に撃つ道内は今年に入り急激に実力が伸びてきた選手であり、緊張しない方なのだが、試射で調整しきれず本番がスタートしてしまった。S1はやはり調整不足の為か、90点と芳しくない点数。しかしS2からは調子を取り戻し終わってみると559点とまずまずの点数を叩き出した。集中し続けた為か「普段より疲れた」と語る。これで全員が撃ち終わり後は結果を待つだけである。
1点をバネに
京産大は7位の同大とは合計点で同点であったが、同点の場合S6の合計点により勝敗を決める為1点差で惜しくも同大に敗れ8位に終わった。同大はこれまで雲の上の存在だっただけに悔やんでも悔やみきれない1点であった。
この悔しさをバネにして来年は更に上位に食い込みたいものだ。その為には、よりハードな練習を積み重ねなければならない。フォーム固めやタイミングを掴むのは難しい。しかし、一度コツを掴めばすぐに伸びる競技。練習次第では経験者にも勝てるはずだ。
射撃部は最近になって部内のレベルも上がってきており、成長が著しく、上位校の実力にも追いついてきた。この全日本大会8位という結果に満足することなく、常に上位を狙い続け、より一層の実力をつける為に練習を積み重ね、更なる躍進を期待したい。
射撃場をのぞいて
知っていそうで知り得ない、いや全く知らない射撃部の射場(正式名称は射撃場と言う)。射場とは一体どんな所にあるのだろうか。その様子を探ってみよう。
射撃部は学内射場で練習を行っている。誰もが一度は行ったことのある大教室棟、実はその下にあったのだ。それに気づいた人はかなり少ないだろう。人気の少ない、暗い暗い所で「カビカビしているんですよ」と中尾は笑って言う。
そして土曜日がやってくると比叡山のふもとにある八瀬の射場へ出向く。その前日に1回生は道具類をタクシーまで使い、運んでいる。そこでまず目に付くのはボロボロの点数の審査室と穴だらけの屋根の射場。更に野生の猿までもが出没する。もちろん猿を銃で撃ってはダメ!!だがそんな場所に似つかわしくない電子ロックの門を作る計画があるとか。これには理由がある。皆が合カギを作って持ち、出入りが自由になってしまっているからである。しかし、この八瀬の射場も悲しいことに3年後にはつぶれてしまうかもしれないという。
その代わり、新たな練習場として浮上するのが京都府園部町ライフル射撃場である。そこは関西の大きな大会が主に開かれている。前に挙げた2つの射場とは違いキレイで新しい。しかし、唯一の欠点は田舎ということ。景色は最高だが、交通の便が悪すぎる。まず、車がないとたどり着くことは不可能であろう。そして、車を使い、そこへ着いたとしても山の中で夏でも肌寒い。
射撃部にとって、一体射場とは何なんだろうか?するとある部員はこう答えてくれた。「射場は第二の故郷。そして、死ぬ時は射場で死にたい」と。射場は危険なので、人のいない田舎にあるが、彼らにとっては大切でかけがえのないものなのだろう。いつも練習させてくれて、ありがとう射場よ。